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【置き換えはできない】Meta Quest 3をモニターにしようとした【Immersed + MacBook】


Meta Quest 3をMacBookの外部モニターとして活用する未来は実現可能か。Immersedを実際に使用し、その実用性を徹底レビュー。どこでも大画面で作業できるメリットと、遅延や低解像度といった厳しい現実を正直に解説。VRでのデスク環境構築を検討しているなら必見の内容。

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自称ミニマリストとして、部屋に巨大な黒い板(モニター)が鎮座している光景は、どうにも美学に反するのです。

理想は、MacBook一枚で完結する軽やかな世界。 でも、現実は厳しい。作業効率を考えれば、広い画面はどうしても必要になってくる。

「美しさ」を取るか、「効率」を取るか。 そんなジレンマの中で揺れていた時、ふと一つのアイデアが降りてきました。

「VRヘッドセットを使えば、物理的なモニターなんていらなくなるんじゃないか?」

もしそれが実現すれば、自宅の最強環境をそのままリュックに詰めて持ち運べる。カフェでも、旅先でも、あるいは新幹線の座席でさえも。 そんな夢のようなワークスタイルを求めて、僕はMeta Quest 3と「Immersed」というアプリに希望を託してみることにしました。

空間からの解放

Immersedの導入は驚くほどスムーズでした。 アプリを立ち上げ、MacBookと接続する。たったそれだけで、目の前に巨大な仮想スクリーンが現れる。

immersed-macbook

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感動しました。 狭いデスクの上にはMacBookが一台あるだけ。なのに、視界の中ではトリプルディスプレイが広がっている。 物理的な制約から解き放たれた瞬間です。

しかも、没入感がすごい。 周囲の雑音や散らかった部屋は視界から消え去り、目の前の作業だけに集中できる。まさに「精神と時の部屋」。 スマホの通知に気を取られることもなく、深い集中状態(フロー)に入りやすい環境がそこにはありました。

「耐える」という作業

しかし、蜜月は長くは続きませんでした。 使い込むにつれて、小さな違和感が積み重なり、やがて無視できないストレスへと変わっていったのです。

解像度という壁

最大の敵は「画質」でした。 Retinaディスプレイの、あの吸い付くような文字の美しさに慣れきった目には、VR空間のテキストはあまりにも粗い。

FHDのモニターを至近距離で見ているようなザラつき。 文字を読むために、無意識に目を凝らしてしまう。その微細な緊張が、じわじわと眼精疲労として蓄積されていくんです。 文字を大きくすれば読めるけれど、それでは作業領域が狭くなる。本末転倒です。

思考を遮るラグ

そして、遅延。 マウスカーソルが、ほんの数ミリ秒だけ遅れてついてくる感覚。 有線接続(USB Wired)にしても、この独特の「重さ」は消えませんでした。

思考のスピードに、画面が追いついてこない。 このわずかなズレが、クリエイティブなリズムを容赦なく断ち切ってしまうのです。

物理的な限界

極め付けは、その重さです。 顔面に約500gのデバイスを装着して仕事をする。 1時間もすれば首が悲鳴を上げ、肩が凝り固まってくる。

「快適な作業環境」を求めていたはずなのに、気づけば「苦行」に耐えている自分がいました。 新幹線で作業していた時、通りがかった人に奇異な目で見られたことなんて、この身体的な辛さに比べれば些細なことでした。

まだ、その時は来ていない

結局、僕は物理モニターのある生活に戻ってきました。

Meta Quest 3とImmersedが見せてくれたのは、「未来の可能性」であって、「現在の最適解」ではなかった。 テキストを長時間読むには解像度が足りないし、一日中装着していられるほど軽くもない。

でも、この実験が無駄だったとは思いません。 「いつか、物理モニターがいらなくなる日が来る」 その確信を、肌感覚として得られたことは大きな収穫でした。

ハードウェアがもっと進化し、メガネのように軽く、Retina並みに高精細なデバイスが登場した時。 その時こそ、僕のデスクから黒い板が消え、本当の意味での「自由」が手に入るのでしょう。

それまでは、この重たいヘッドセットを時々被って、未来の景色を覗き見るくらいが、ちょうどいいのかもしれません。

macOS上のImmersedは、ダミーのディスプレイを作成しそのフレームを画像としてMetaQuestに送っているように見える。HDMIやDisplayPortのネイティブ出力とは処理系が異なるように思えるため、処理をよりネイティブに近づけられれば遅延は減るかもしれないが、技術的には難しいのだろう。Windows環境では状況が異なる可能性がある。

MetaQuestを100%モニター代わりにすることはできない

これをメインの作業環境にするにはまだ難しいと感じるのが正直な感想である。

正直に言って、4Kモニター1枚とMetaQuest3のどちらを選ぶかと問われれば、迷わず4Kモニターを選ぶだろう。

これは、上述の課題点や、MetaQuestを付け、Immersedを立ち上げるまでが面倒くさいことに由来している。

Meta Questを被って、Immersedを立ち上げて、パソコンの方もセットアップして… という一連の作業が面倒くさくなってしまった。 それで作業効率が爆上がりするなら良いのだが、ラグいし文字読めないし、使わないなというのが正直な感想。

とはいえ、全く使えない訳ではないのでこういう類の物に興味がある人や大きなものを減らしてみたい人は一度試してみるのも良いと思う。 また、映像作品に関してはむしろ綺麗に見えるので、文字が多く絡まない業種なら作業空間を大きくできるメリットだけ享受できて良いのかもしれない。 Youtuberだと絶賛している人が多い気がしたのでそのような考察をしておく。

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